眠ること

眠ることは、もう一つの世界を生きることだ。現実は触れることができて、感じることができる。身体的世界というべきもの。

眠りはこれとは別で、意識の世界だ。

誰に会って、どんなことを話して、どんなことが起こったか。身体的世界での出来事を意識の世界へと変換する。

だから、身体的世界でいうところの意識は遠のき、意識の世界へいざなわれる。夜が楽しいのはきっとそういう理由かもしれない。現実なんて忘れて、こっちの世界を楽しみましょうよ、という感じだ。

これって、夜の街に似てるな。

夜の魅力っていうのは、日常を忘れられることだろう。ああしなきゃ、こうした方がいい、こうすべきだ、に絡めとられてしまう日常を解放したいけど解放出来ない。でも、夜の闇と怪しいネオンサインが心の奥底にある秘密の扉を開いて開いてくれる。